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『麦の穂をゆらす風』を観てみたよ!

まずはアイルランドという国を少し知っておく必要があると思います。詳しくは公式サイトだとか、アイルランド史の本を読んでみるのがいいかと。

アイルランドは8世紀末頃からノルマン人の侵入などを受けたりしてたのですが、12世紀についにヘンリ2世によってイングランドの支配下に置かれることになります。その後約700年間支配を受け続けることになるんですな。

アイルランド独立戦争の結果、1922年にはイギリスからアイルランド自由国としての自治が認められ、1937年にはエールと改称しイギリス連邦内で独立。そして1949年にアイルランド共和国として完全独立を果たしイギリス連邦から離脱します。

このように、アイルランドという国はとても悲しい過去を背負ってるわけです。この映画でも描かれてますが、イギリスのアイルランドの支配ってものが本当にひどいんです。植民地にされた国なんてのはどこもひどい扱いを受けるわけですが、そんなのが700年も続いてるっていうんですよ。現代に生きる僕には考えられないことだな。

物語はとあるアイルランドにある村、数人の仲間同士で談笑してると急にイギリス軍がやってくるというところから。イギリス軍はそのアイルランド人たちに対して「あらゆる集会も禁止なんだ!」とかいって名前や住所などを彼らから聞き出すんですね。でも一人の青年は自分の名前を英語で言おうとしないんです、愛国心というかイギリスに対して反抗してるんですね。そんなんだからイギリス軍のお偉いさんは怒っちゃって、その青年を母親の見てる前で殴り殺してしまうんです。

そんなこんなで、主人公のダミアンはロンドンで医者をやるとかどうとかでイギリスに行こうとしてたんですが、上記のようんことがあったりでイギリス軍のめちゃくちゃなやり方に我慢できなくなってアイルランド共和軍(IRA)のメンバーになることを決意。アイルランド独立戦争に参加していくのです。

その後、多くの犠牲者を出しながらも休戦協定が出され、アイルランドは独立できたかのように思われました。が、平和条約の内容はあくまでもイギリスの自治領としてのアイルランド自由国であるとされ、国会議員はイギリス国王に忠誠を誓うというものでした。となると、当然ながら完全独立を目指す人々が現れるのですが、やっと手に入れた平和を水の泡にすることはできないという人々もいるわけです。ダミアンは前者、兄のテディは後者ということで仲間であり兄弟である両者が争いへと巻き込まれていきます。アイルランド内戦の始まりです。かつての仲間たちと戦うことに悩み続けるダミアン、戦う意味とは何なのかを突き詰めていきます。

イギリス=悪というのを全面的に出しているわけですが、本当にひどいです。イギリス軍が列車を利用しようとしたけど拒否されて、車掌や運転手をフルボッコ。終盤では女性に対しても髪の毛とか頭皮まで切り刻んじゃったり、家を放火したり。無茶苦茶。正直、目をそらしたくなりました。でも実際にそうしたことが当たり前のようにおこなわれていたのでしょうね、だから目をそらしちゃいけないんです。

尋問で爪剥がしとかってひぐらしじゃん、痛いってレベルじゃねぇぞ

「それだけ価値のある戦いかな」

スパイとみなされた幼なじみの同胞クリスを撃ち殺せと命令されたときのダミアンの言葉。仲間同士での殺し合いをするだけの価値はあるのかってことです。なんというか、深いですね。何のために戦ってるのかわからなくなるのだろうな。

クリスを撃った後のデミアン、銃を投げ捨てて「その場からすぐに立ち去りたい」っていうのがすごく伝わってくる気がしました。てかもう泣きまくりだろうなぁ。

国は失業者であふれ、貧困層は拡大、子どもたちは栄養失調で苦しんでいる。それをどうにかすために戦ってきたというのに、最終的には内戦という最悪な結果になってしまったんです。悲しい歴史です。映画でも、最後まで誰も救われないという内容。悲しみしか残りません。こうゆうことを書いてるのにネタで申し訳ないけど、まさに「悲しいけどコレ、戦争なのよね」ですよ。

繰り返しになるけど、悪いのは戦争なんですよ。