ノルウェー連続爆破テロと国家宗教

兄「ノルウェーで連続爆破テロか…」
妹「え?今更そのネタ?古くない?」
兄「下書き保存していた書きかけだったのを掘り起こして…」

妹「でも私も信じられなかった。だってノルウェーとか北欧ってすごく平和な感じしかしないもん。どうしてこんなことが起きたの?」
兄「これがなかなか複雑なんだよ…社会が生み出した悲劇、とも言えるんだ」
妹「うーん、よくわからない。ちゃんと説明してよ!」
兄「正直言って俺もしっかり理解してるわけじゃないけど…」
妹「いいからさっさとやれ」
兄「あ、はい、すみません…」

極右の容疑者

兄「一連の事件概要については既に報道されている通りだ。外務省の海外安全ホームページとかにも書いてあるから確認してみてくれ」
妹「おk、把握した」
兄「・・・えっと、それでだ。最初に起きた爆破事件では政府庁舎を狙い、銃乱射事件では与党のノルウェー労働党を狙った犯行なわけだ。ノルウェー警察当局は逮捕した容疑者を極右のキリスト教原理主義者だと報道した」
妹「極右?過激な愛国主義者とかそんな感じ?」
兄「そうそう。容疑者のアンネシュ・ブレイビクは以前からネット上でイスラム批判をしていたりと、かなり熱心な極右思想者だったんだ。日本と韓国を賞賛したりもしてた」
妹「へ?日本と韓国?」
兄「日本と韓国の反移民、非多文化主義のことだ」
妹「なんだか難しい…」
兄「要するに、欧州のような移民に開かれた国家というのは、他文化、他主義に支配される可能性があるから危険だ、的な感じ」
妹「でもそういう社会になっていくべきだと思うけどなぁ」
兄「まぁいろいろと難しいんだよ。例えばさ、そういう感じにヒトの移動がさらに大規模になっていくと国という存在が危うくなるわけじゃん。危うくなる、というのは適切じゃないけど国家の存在って何?ってなる」
妹「国家の存在…よくわからないなぁ」

日本人って?

兄「おk。じゃぁ妹は自分が何人だと思う?」
妹「1人」
兄「・・・」
妹「日本人かなぁ」
兄「まぁそうなるわな。さて妹よ、どうして自分が日本人だと思った?」
妹「そりゃ日本で生まれて日本で育ったんだもん。お父さんもお母さんもお爺ちゃんもお婆ちゃんも日本人だし」
兄「確かに。だったら、もし妹が日本で生まれて日本で育ったとしても、母さんがアメリカ人で、父さんがイギリス人だったら妹は日本人か?」
妹「うーん。日本人、だと思う…けどわかんない。私のお母さんもお父さんも日本人だもん」
兄「だよな。結局、そういうのは自分にしかわからないわけ。たとえアメリカ国籍を取得して日本国籍を捨てても、自分が日本人と思ってるならそれは日本人でいいんだよ」
妹「アイデンティティってやつ?自分がどこの国の人なのかわからないと不安になるってのはわかるかも」
兄「そう、それを結び付けてるのが国家の存在だと思う」
妹「そろそろ話を元に戻して。あまりそういうことばかり言ってると叩かれるよ?」
兄「お前もメタ発言やめろよ」

国家宗教

妹「結局、今回の事件は移民が国家を失わせる要因になってるのでは、と考える人が起こしちゃったってこと?」
兄「はっきりはわからないけど。でも、逮捕された犯人は『イスラムの乗っ取りからノルウェーと西欧を救わなくてはならなかった』*1って言ってるらしいし、妹の意見もだいたい合ってると思う」
妹「それってただイスラム教を悪だと思ってるだけじゃない?」
兄「911同時多発テロ以降、ますますアメリカのイスラム嫌悪が高まったからなぁ」
妹「イスラム教が悪で、キリスト教が正義、っていう方程式はおかしい気がする」
兄「そう。イスラム教徒全員が過激派なわけじゃないんだ。結局、アメリカが先導して『イスラムは悪だ』と主張して戦争まで始めちゃったから、世界中の人々の脳裏に焼き付けちゃったんだ」
妹「そんなに喧嘩ばっかりやってて何がしたいの?戦争したいならやりたい人だけやってればいいのに。なんで関係ない人を殺したり、関係ないイスラム教徒が迫害されたりするんだろう」
兄「人は結局何かにすがらないと生きていけないんだと思う。何か頼れるもの、信頼できるものがないと不安で頭おかしくなっちゃうんだよ」
妹「だから宗教にのめり込んだり、国家のために戦おうとするの?」
兄「妹もさっき言ってたじゃん、自分が何人かわからないと不安だ、って」
妹「そうだけど・・・でもさ、国家とか宗教とかじゃなくて、相手は人でもいいと思うなぁ。自分の好きな人、愛している人、大切な人がいたり、誰か1人でも自分のことを信じてくれる人がいたらそれだけで救われると思う」
兄「人は強欲で、且つ弱い存在だからそれだけでは満足できないんだ」



妹「あ、でも、私はお兄ちゃんに抱きしめてもらえればそれだけで・・・」
兄「さて、部屋で1人で映画でも観てくるかー」
妹「私もお兄ちゃんと一緒にポルノ映画観るー!」
兄「帰れ」

*1:http://sankei.jp.msn.com/world/news/110726/erp11072608280002-n1.htm