アイルランド留学を終えて

はじめに

タイトルにもあるように、なんとか無事にアイルランドから日本に帰国したわけです。帰国して1週間、やっぱり日本は良いなぁ。やっぱり僕はこの国が好きだ。幸せを噛み締めてます。

日本に帰ってきたことですし、留学生活を振り返ってみたいと思います。何年後かへの自分へのメッセージとして。また、語学留学を考えている人に向けて何かしらの励みとか、そういったものになっていただけると幸いです。ちょっと長いですが頑張って書きました。

英語力について

僕はいわゆる語学留学というもので、英語力を伸ばすことがが今回の目的だったわけです。まず、留学前の僕の英語力ですが、これはもう壊滅的。高校時代、苦手な教科の1つが英語でした。しかし、一昨年、編入試験対策としてもう一度最初から英語を勉強しなおしたので、基礎的な英語力はしっかりと身に付いていたと思います。センター換算すると150〜160程度?平均+30前後ってところでしょうか。決して良くはないし、悪いわけでもない。微妙なところですね。留学する、と言ってる人間の取るべき点数ではないですが…。

そんな程度の英語力ですので、もちろん、最初はかなり苦労し…た記憶はほとんどないです。つらすぎて記憶から抹消された可能性もありますけど。確かに、今ほどは全く話せませんでしたがなんとかなるもんです。意外に通じちゃうので、そこんところは自信を持っていいのかなぁと。

留学を終えて、Speaking能力は思っていた以上に向上したと思います。僕は机に齧り付いて勉強することよりも、とにかく友達と会話することを第一に置いてました。そのおかげでSpeakingは良くはなりましたが、他の面があまり変わっていないという感じです…。単語や文法などといったところは日本にいても勉強できるので、まぁ留学の目的は果たせたかな、とは思ってます。


語学学校について

語学学校はレベル別にクラス分けされます。3月に僕が入校したとき、学校には生徒が少なく、クラス数はPre-IntermediateとUpper- IntermediateとCambridge Examination CAEの3つだけでした。僕はPre-Intermediate。2ヶ月経過したところでUpper-Intermediateに変更したのですが、レベ ルが高くて、途中でIntermediateに落としました。8月にはCambridge Examination FCEへと移動。ここが僕の英語力上達の分かれ目だったと思います。授業のレベルはもちろん高かったのですが、クラスメイトとも仲良くできたし、ここで しっかりと英語力を鍛えることが出来ました。

僕の語学学校は、先生が生徒をしっかりと見てくれて面倒見の良い学校でした。友人が通っていた他の語学学校では、あまりそうではなくてサポート面が充実していなかったらしいです。こればっかりは運でもあるのですが、あまり良くないと思ったらすぐにでも語学学校を変更する、というのも1つの案だと思います。

最初の頃は生徒数も30人程度で、みんなが顔見知りで仲良しという感じでした。週末はパブに行ったり、パーティーをしたり。しかし繁忙期の夏になると200人を越え、生徒同士のコミュニケーションはクラス内だけ、ということが多くなったようにも思えます。そして、僕の街はとにかくスペイン人が多かったです。アジア人は韓国人が2人程度、日本人も同じくらいで2人程度です。とにかく少ない。日本人が僕1人だけという時期も何度もありましたし、勉強するには良い環境でした。

同じ国同士の生徒で固まっている、という話は留学前から聞いていたのですがその通りです。そういう人たちは、お互いのコミュニケーションをもちろん母国語で取ります。そして、その周りにいると自分自身も英語を聞く機会を失うわけで、あまり良いものではありません。日本人の絶対数が少なかったので、出会った日本人とは積極的に話してましたが、そういった集団についていくことだけは避けていました。

授業ですが、朝の9時から始まって13時に終わります。1日4時間、午後の授業も取っている人は昼食後に授業という形になります。内容はGrammar、Vocabularyなどの基本から、Speaking、Listening、Readingなどなど、先生によって異なりますが大体こういった感じです。たまにゲームをしたり、DVDを観たりすることもあります。上のレベルのクラスになればなるほどVocabularyのレベルも上がります。ちなみに、僕がUpper-Intermediateのクラスにいたときは7〜8割の単語を理解できませんでした。辞書を開いては閉じ、開いては閉じ、の繰り返し…。


Accommodationについて

到着して最初の2ヶ月はホームステイをしていました。ホストマザー・ファザー・大学生と中学生の娘2人・犬1匹という構成。先に書いたように、僕の英語会話能力は悲惨なものだったので、最初は全く理解できませんでした。でもホストファミリーはとても優しく接してくれて、特に不満はありませんでした。ただし食事を除いて。知っている人は知っていると思いますが、アイルランドはジャガイモを主食としています。毎晩、ジャガイモを食べてました。それはもうトラウマになるほどジャガイモばっかり。決して美味しくないというわけではないのですが、すごく日本食が恋しくなったのはこれが原因だったかと。

その後、語学学校の手配してくれたシェアフラットに移動しました。そこではスイス人の生徒との共同生活。どうしてそうなったのかはわかりませんが、食事は一緒に作って食べることが多かったです。というか、僕は完全に彼に頼り切ってました。19歳の年下だったにも関わらず、ですよ。情けないっすね。そのフラットは家賃が異常に高く、月々600ユーロ(約7万円弱)で、1ヶ月そこで生活した後に別のシェアフラットに移動しました。

新しいシェアフラットは家賃は300ユーロ(約35000円)で、住み心地も悪くはありませんでした。そこでは友人のスペイン人カップルなど、いろいろな人と生活しました。スペイン人の他にはイタリア人、日本人、アイルランド人、フランス人など。最初はそのスペイン人カップルが友人だったということもあり、すごく充実した生活をしていたと思います。毎週末にパーティーをして、一緒に料理を作ってお酒を飲んで暴れて…。たまに喧嘩することもありましたが、とても楽しかったのを記憶してます。結局、そのシェアフラットには6月上旬から日本に帰る直前の12月1日までずっと借りてました。

どちらのフラットも街の中心地から徒歩5分もかからない、立地はすごく良いところでした。2番目のフラットは僕の街では安いほうです。首都のダブリンには、街の中心地のシェアルームで250ユーロなどがありますが、まぁプライバシーなどの面であまり良いところではない、といろいろと話を聞いています。シェアフラットは、キッチンやシャワーは共同ですがベッドルームはそれぞれ分かれているので住みやすさで言えばこちらのほうが遥かに良いと思います。人それぞれ、ですけどね。


生活全般について

平日の午前中は語学学校、午後は宿題をやったり、昼寝をしたりといった感じでした。怠け者…。休日も部屋でダラダラしたり、同居人と他愛もない世間話をしたりしてました。近くに映画館があって、週末の午前中は4ユーロで観れたのでたまに行ってました。『インセプション』や『トイ・ストーリー3』など。当然ですが字幕なしなので、理解するのはかなり難しかったです。そうは言っても4ユーロ、激安でした。

たまにDVDショップでDVDを買ったりも。10本くらいは買いましたね。大好きな映画のDVDを買って、何度も何度も繰り返して観てました。本も買いました、ジョージ・オーウェルの『1984』を。まぁ実際はほとんど読んでいないのですが…。後はラジオを聴いたり、テレビを観たりして暇を潰してました。

友人との連絡手段として携帯電話は必須。プリペイド式が主流で、購入する際の契約などは一切無し。そこでお金を払えば端末とSIMカードを購入できます。僕は機種代が無料のを購入。60ユーロのTop Up付きだったので、最後まで追加Top Upをすることはありませんでした。

食事はかなり節制していたとは思いますけど、それでも月々300ユーロ近くは使っていました。パーティーを主催したり、パブに行ったりするともう少しか かっちゃいます。近所にあった有名チェーン店スーパーには、野菜が少ないのが目立ちます。とにかくジャガイモが安い。7.5kgで3ユーロなど、さすが ジャガイモの国というだけのことはあります。また、アジア・日本食品はほとんどありません。ダブリンもそれは同じで、アジア系スーパーに行かないと手 に入らないものが多くあります。ロンドンのスーパーで寿司のパックが売ってあるのを見たときはびっくりしましたよ…。


治安について

治安はかなり良いと思います。僕の住んでいたコークという街は、アイルランド第二の都市と言われていますが、とても小さくて平和な街です。街の人々はフレンドリーですし、特に事件という事件もありません。中心地にあるパブでは毎週月曜日にアイリッシュダンスを踊れたり、ナイトクラブもいくつかあります。金曜日の夜はやはり酔っ払いが多いですが、危害はありません。ちょっと絡んできて「コンニチワ!」などと言ってくるくらいですかね。

という感じに、僕の街ではアジア人への偏見というものはあまり見られません。もともと、アジア人自体が少ない街ですし、僕が街で会った日本人は10人もいません。中国人だろうが、日本人だろうが、韓国人だろうが、それほど意味はありません。しかし、ダブリンでは少し偏見のような何かがあるのかなぁと僕は感じました。実際のところはよくわかりません、ダブリンのパブで地元民と語り合ったわけではないですし。

ちなみに、10月中旬に北アイルランド旅行をしている間に、僕のフラットに強盗が入りました。3人くらいで、ドアの厚いガラスを叩き割って侵入したようです。幸運なことに、僕のベッドルームは鍵を閉めていたので何も被害はありませんでした。が、他の3人の同居人は鍵を閉めずに外出していたようで、ノートPCやカメラやバッグなどが盗まれたようです。

11月にEUとIMFがアイルランドに緊急融資を決定したのは記憶に新しいと思います。アイルランド国内では、暴動などといった大きな混乱はありませんでした。というのも、アイルランドは社会福祉や生活保護といったセーフティネットがしっかりしているため、国民にとってはそれほど問題ではないからです。しかし、そうした将来への不安から、一部都市では治安が少し悪化しているという話もあります。それが先の強盗事件にも少しは繋がっているのかなぁ、とも思いますけど…。

あー、疲れた。もうちょっとだけ続くんじゃよ。


日本を出国する前にしておけば良かったなぁと思ったこと

半年以上の留学となると、その間は日本に帰ることもありませんのでしっかりと事前準備をすることが大切です。僕はもともと何事においても準備を怠る、という悪いところがあるのでいろいろと苦労しました。

まずはビザについて。既にこのブログでも記事を書いてるのでそれを読んでもらえるとわかるのですが、これがなかなかに大変でした。ビザ問題はどの国でも起こっていることで、例えばアイルランドでは中国人に学生ビザは発行されません。また、最近のロンドンは移民制限をしているらしく、非常に厳しいものになっているという話を聞きます。アイルランドの学生ビザ申請は街ごとに少し異なるので、早めにImmigration Officeに行き、いろいろと話を聞く必要があります。といっても、所詮は役人仕事なのでかなり適当です。まぁ仕方ないというか…。

予算についてですが、僕は今回の約8ヶ月の留学において約180万円を使いました。内訳は、オープン航空券に10万円、語学学校に50万円、ホームステイに15万円、シェアフラットに30万円、食費に30万円、国内やイングランドやスペインなどの旅行費に20万円、その他雑費などです。パブに行かなかったり、旅行をしなかったりするともっと安くできると思います。最初の予定では150万円と考えていたのですが、途中でお金がなくなり、両親に30万円を海外送金をしてもらいました。お金については事前にしっかりと計算して、ちゃんと管理するべきだったと思います。ロンドンで50ユーロを詐欺られましたし…。

学生であれば国際学生証は作っておいてもいいのかなぁ、と。あまり使えるとは思えませんが、ないよりはマシといった感じでしょうか。IDを見せろ、と言われたらパスポートでなければいけないことが多いですし、学生証明であれば語学学校のカードを見せればいいだけなので、個人的には必要はないと思います。


留学中にしておけばよかったなぁと思ったこと

要するに後悔してること。まぁ書き出せばキリがないってくらいに大量にあります。特に後悔していることは、アイルランド国内をもっと旅行したかった、ということ。国内旅行はほとんどしていません。時間とお金と余裕があればもっといろいろと見て回りたかったのですが…まぁ今回は勉強しに来ていたわけですし。次回、アイルランドに来たときのために行かなかった、ということにしておきましょう。

次に勉強。確かに、Speaking能力だけを見ると成果は出ているとは思います。しかし、時間がたくさんあったにも関わらず、その他の面があまり向上していないのは如何なものなのか、という感じです。特に単語力。勉強不足の目立つところですね。留学前はhangoverがなんなのかもわかっていなかったほどで、単語力の弱さは以前からのものでした。単語だけなら日本にいても勉強はできますし、これからも勉強していかなければなぁと思ってます。

アイルランド人との交流が少なかったのも後悔。シェアフラットでの生活では、留学生活最後の1週間にアイルランド人がやってきたのですが、彼とはほとんど会話しなかったです。パブには友人と行くことが多かったですし、語学学校はもちろん留学生しかいないのでアイルランド人とコミュニケーションを取る機会はもともとそれほどなかったのです。といっても、全くなかったわけでもありません。同じシェアフラットには多くのアイルランド人が住んでいましたし、2人くらいとは友達になりました。パブでもたまにアイルランド人から話しかけられて、そのまま会話することもありました。1つ言えることは、自分から進んで話しかけていけば、彼らもそれに応じてくれるということです。


おわりに

留学中、いろんなトラブルが起こりました。ビザ申請、詐欺、帰国のときの空港トラブルなどなど。実は帰国した今でもフラットの電気代の支払いでいろいろとあって、まだ全てが終わったわけではありません…。それらの全てが一筋縄では行かないほど、今まで味わったことのないような大きい問題ばかり。それでも、なんとかそういった問題を解決していくことができました。少し足掻けばなんとかなる、それを学ぶことができただけでも少しは、ほんの少しは成長したのかなぁとか思ったり。

でもまだまだ。自分の未熟さだとか、ガキなところなどをまざまざと思い知らされました。学ぶべきものはたくさんあるし、成長しなければいけない面もある。でも、それをどうやってしていけばいいのか、今の自分にはまだわかっていない。けど、それでも足掻けばなんとかなる。

なんか格好良く終わらせようとしてるけど、まぁそんな感じ。とりあえずこのブログは通常営業に、映画の感想をダラダラ書いていくブログに戻りますー。