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文化庁のクール・ジャパン戦略が頭おかしい件について

文化庁は、日本製のアニメやマンガなど30万点以上の情報を公開するデータベースの構築に乗り出した。2014年度の運用開始を目指す。日本の魅力を海外に発信する「クール・ジャパン(かっこいい日本)戦略」の一環で、文化産業の育成につなげる狙いもある。

「かっこいい日本」ってなんだよそれ、きまい。以前にも「かわいい大使」という似たようなものをやっていたけど意味がわからない*1 *2。日本の魅力を海外に発信する、とあるけどそもそもそれは魅力的なものなのか。日本のアニメや漫画は海外で高く評価されているというのは確かにそうなのかもしれないけれど、それは極一部である。国によっても温度差はある*3

こうした政府の政策に関わらず、○○日本というのが最近多い気がする。たとえばサムライ日本。サムライ、この言葉は主に戦国時代で活躍した日本の武士道の根源にあるとも言える存在ではあるが、世界的に見ると非常に残酷な存在である。戦時中、旧日本軍は将校以上ともなると必ず日本刀を帯刀していたという。それは日本の誇りのようなものであり、時にはその日本刀で侵略された地域の人々に対する残虐行為の武器としても用いられた。それにより、サムライという言葉は東南アジアでは日本刀を持つ旧日本軍への恐怖の現れとなり言語として残っている。

そうしたことも鑑みずにメディアは「サムライ日本」を連呼する。国によってはその言葉が非常に大きな意味を持つとも知らずに、である。WBCでグラウンドに国旗を掲げた韓国チームを批判する立場ではない。それ以前に、サムライ日本だとかなでしこ日本だとか、正直言って気持ち悪いと言わざるを得ない。

閑話休題。このクール・ジャパン戦略は果たして日本の魅力を理解してもらっているのだろうか。軍事面を戦争という形で世界に知らしめることのできない日本は、このクール・ジャパン戦略によって国際社会での地位を高めようとしている。そこで漫画やアニメといったサブカルチャーを利用する。がしかし、そうした文化は政府が主導となって進めていっては効果がないのではないかと思う。

たとえば初音ミクを軸にするVOCALOIDニコニコ動画という1つのWebサービスのなかで発展し、世界の一部のファンたちを虜にしていった。インターネットには国民国家、国境という概念がなく、また関税や検閲といったものも例外を除いては存在しない*4。だからこそ世界へ発信するのが容易なのである。そこで政府や政策といったものが絡まってくると、そう簡単に拡大していくことはないだろう。ましてや政府というのは国家を象徴、代表する存在であり、政策の裏側には必ずしも何かしらの思惑があると考えてしまう。記憶に新しい東京国際アニメフェアにおけるボイコットを例にとってもいいだろう。

既に限界であるといえる国民国家の概念であっても、現実では未だ大きな存在であり、無視していくことはナンセンスである。だからそれを維持していくことが現代における課題であるのは事実だけど、その方向性を無視して闇雲に進んでいくことは明らかに間違いであるといえる。社会が何を求めているのか、何を必要としているのかを考えることが、今しなければならないことではないのだろうか。

*1:[http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/culture/koryu/pop/index.html:title=外務省: ポップカルチャー外交]

*2:ドラえもんにアニメ文化大使を要請するなどさらに意味不明

*3:アイルランドではアニメや漫画などが市民権を得ている(もしくは指示されている日本文化、サブカル)とは言えない

*4:アラブの春期におきたインターネット遮断や、中国共産党政府による検閲など